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世の「さだめ」を問い直す
もうひとつの「マハーバーラタ」の物語
『Ajaya』を翻訳出版したい!

おすすめマハーバーラタ・インド神話の本

ファンの会のあるメンバーが、『Ajaya』を読む前にぜひ読んでほしい関連資料を下記にまとめてくれました。『Ajaya』はマハーバーラタの主筋を知っていたほうが楽しめるため、このページを見ながら書店や図書館などに足を運んでみてください。

 


 

おすすめマハーバーラタ・インド神話の本

 

カウラヴァ小説「Ajaya」を読む前に、原典の『マハーバーラタ』を読んでみたい!という方のためにおすすめ本をまとめました。

 

・マハーバーラタ入門 勉誠出版/沖田瑞穂 206p

 「入門」と名がつくとおり、膨大なテキスト量の原典からスタンダードな主筋の概要を簡潔にまとめてあります。神話学者である著者沖田先生の比較神話論や登場人物の考察も面白いです。プーナ批判版を底本としており、初心者から知識のある層まで幅広く対応している本で、最初のマハバとしておすすめです。

 

 

・マハーバーラタ 上・中・下 第三文明社/上336p,中344p,下308p

チャクラヴァルティ・ラージャーゴーパーラーチャリ著 奈良毅, 田中嫺玉訳 

★電子版あり

著者はインドがイギリス統治時代にマドラス州知事を務め、歴代インド総督のなかで唯一のインド人総督となった政治家で、作家としても有名です。1951年に平易な英語の要約再話として出版されたのがこのマハーバーラタで、全3巻あるものの、文字が大きく読みやすい文章で、こちらも最初のマハバにおすすめです。日本語訳された際にカルナの一人称が「拙者」となり、武士っぽくなっているのも特徴。

 

 

・マハーバーラタ 第1巻~第9巻 三一書房/山際素男訳 ★電子版あり

学問対象としてだけでなく、外国人の民衆でも楽しめるマハーバーラタがあってもいいはずというコンセプトから訳されたマハーバーラタ。底本はM・Nダットによりサンスクリットから英語に完訳された書(北方カルカッタ版)。全9巻あり非常に長いですが、省略されたり、他に邦訳のないアシュヴァッターマンのエピソード(幼少期・夜襲など)が含まれています。書籍版は絶版で図書館の利用が必須となりますが、電子書籍版が充実しています。

 

 

・インド神話物語マハーバーラタ(JAYA) 上・下 勉誠出版/

デーヴァダッタ・パトナーヤク著 村上彩訳 沖田瑞穂監訳 

神話学者・作家であるD・パトーナーヤクによる再話。インドのさまざまな地域のマハーバーラタのバージョンが紹介されており、現代的な価値観から両陣営を見つめなおす姿勢は非常に興味深いです。この本では「Ajaya」内のエピソードのインスパイア元と思われる伝承がいくつも紹介されており、セットで読むとより「Ajaya」が面白くなるのは間違いないです。ですが、この本や「Ajaya」の重要な点は、「既に読者がマハーバーラタを知っていることを想定して書かれている」ことだと考えます。スタンダードな流れを知った後の2冊目以降のマハーバーラタとして本書を読むと、何倍も面白くなると思います。

 

 

・The Mahabharata of Krishna Dwaipayana Viyasa Translated from original Sanskrit to English by Kisari Mohan Ganguly  ★WEB無料公開あり

インドで最初に英訳されたとされるマハーバーラタで、パブリックドメインで無料公開されているなかでは唯一の完訳版です。通称KMG版。 「Ajaya」内で推薦資料として紹介されています。Mahabharata - Sacred-Texts

 

 

・原典訳マハーバーラタ 1~8 ちくま学芸文庫/上村勝彦訳

底本はプーナ批判版で、サンスクリットから邦訳されたシリーズ。訳者の上村先生急逝のため、カルナとアルジュナが戦いはじめる直前で訳が途切れてしまっていますが、貴重な資料であることにかわりはありません。既に絶版となっており、こちらも読むなら図書館の利用が必須となります。

 

※プーナ批判版(Critical Edition)とは

 西インドのプーナ(プネー)にあるバンダルカル東洋学研究所から出版された「マハーバーラタ」のこと。1919年から約50年の時間をかけて千以上のインド各地の写本を校合してつくられた。今でも多くの学者が研究にこの版を活用している。

 

 

【インド神話】

 

・いちばんわかりやすいインド神話 じっぴコンパクト新書/天竺奇譚

インド神話の基礎知識や、神様の図像、そして「ラーマーヤナ」「マハーバーラタ」両叙事詩にいたるまでを名前のとおりわかりやすくまとめた本です。叙事詩の文字情報だけでは想像しにくい神々の姿や、武器、モチーフなど全部載っています。このお値段で読めてしまっていい情報量ではないです!

 

 

・インド神話入門 とんぼの本(新潮社)/長谷川明

シヴァやヴィシュヌ、クリシュナ、スーリヤなど「マハーバーラタ」で知っておきたい神々の豊富なカラー資料が掲載されている、インド神話の入門書です。

 

 

 


 

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2024/09/25 12:26