発起人の木村夏彦です。
「世界の中の日本文学に光を当てる――文芸誌『jem』日本文学の海外受容・翻訳の状況を大特集した号を刊行したい!」クラウドファンディングプロジェクト、本日22:00をもって無事に終了いたしました。
計183人もの方からご支援いただき、支援総額は目標額の166%となる747000円を達成いたしました。この地球でクラウドファンディングに挑戦されたことのある方は、活動報告をどういう表情で打ったものなのでしょうか。打つべきものなのでしょうか。正しい表情は、AIに訊けばわかるのでしょうか。わたしは今、泣いています。「泣くと本当に涙がでる(中村葉子)」。
ここまで、どれだけ多くの方に助けられてきたでしょうか。弊誌『jem』はひとり体制の編集部であるということになっています。それはある点からすれば、ただの真っ白な嘘にすぎません。無数の方の注いでくださったエネルギー、情熱、かけてくださった優しい言葉こそが「編集・制作」なのだという風にいま実感されています。
今号のための論考や記事、訳稿、素敵なエセーの多くは、すでに手元に届いています。今後、とくに校正に注意を払いながら、編集作業を進めてまいります。十分に楽しんでいただける一冊にできるよう、ここからが頑張りどころだとも思っています。同時に、やはり(ついに)ホッとしているという思いも(熱い、たしかな、手触りのように)あります。リターンに関わるご連絡などは、あす以降順次対応させていただきます。
この活動報告は、本日の夕方に書き始めました。終了直後は、くたくたに疲弊しているにちがいないと思ったから。でも、結局、端的に書くことはできませんでした。それで、巨きすぎるほどに巨大な時計が、22:00を回ってから書き直しています。ある日、友人に「海外文学を読むことで人は優しくなれるかって最近考えている」と洩らしたら、一笑に付されてしまいました。偽記憶かもしれません。でも、ある哲学者が言うように、問いには感情が凝縮されているのだと思います。
改めて、この2か月間、プロジェクトを支えてくださったみなさまに、心からの感謝を申し上げます。